「われわれは即戦力のプレイヤーが欲しい。わが社では現在、四〇歳手前で課長職に登用しています。だからプレイヤーの上限は三五歳。それ以上はマネージャーとしての採用になりますが、マネージャーはわざわざ外から採るほど不足していないんですよ」ここで素朴な疑問がわく。体力勝負のプロスポーツ選手ならいざ知らず、サラリーマンなら、四〇代、五〇代のプレイヤーがいてもいいではないか。だが、思い出してほしい。年功序列というレールがある以上、人材の値段は年齢で決まってしまう。
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たとえ(プレイヤーとして)能力も意欲も申し分ない五〇代がいたとしても、彼の賃金は、企業を萎えさせるほど高水準なのだ。「給与も仕事内容も新人並みでかまいません」日本企業にはこういうアピールがまったく通用しない。もちろん、四〇代以上でも日本企業に転職できる人間はいる。ただそれは、役員や事業部長など、上級マネージャーとして際立った経営的能力を持った場合のみであり、そもそもそういう人材を企業が欲しいと思えば、ヘッドハンティングで一本釣りを狙うだろう。同社は団塊世代の退職をにらみ、来年から中途採用者数を倍増させる計画だという。だが、その対象は主に二〇代の若者だ。「同業他社の第二新卒がターゲットです。もちろん、やる気があれば多少業種が違ってもかまいません」三五歳を超えて、一度でも年功序列というレールを降りてしまうと、多くの人はもう二度と列車に乗ることは許されない。それでいて、リストラの際にターゲットにされるのは彼ら中高年だ。これは、年功序列制度が持つ陰湿な一面と言っていいだろう。